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夜間の不安・不眠に対する訪問鍼灸|自律神経を整える静かな医療

はりきゅう院 歩(あゆみ)院長

院長:福家洋平

はりきゅう院 歩の院長です

はりきゅう院 歩、院長の福家です。
訪問の現場では、昼間よりも「夜間の不安・眠れない」という訴えを多く聞きます。身体は疲れているのに眠れない。寝ようとすると胸がざわつく。深夜に何度も目が覚める。こうした状態が続くと、翌日の活動量が落ち、表情が暗くなり、生活全体が停滞してしまいます。

眠れない夜の背景には、身体の不調だけでなく、不安・痛み・孤独感・環境の変化など、さまざまな要因が重なっています。訪問鍼灸は、心身の緊張を静かにほどき、安心して眠れる状態へ導くケアとして大きな力を発揮します。

夜間の不安・不眠は“身体の問題”だけではない

夜になると不安が強まり、眠れなくなる。これは高齢者に限らず、多くの方が経験します。しかし高齢者の場合、日中の疲労や体力低下、環境の制限が加わり、その影響がより強く出ます。

・寝ようとすると胸がざわつく
・足先が冷えて落ち着かない
・肩や首が張って呼吸が浅くなる
・部屋が静かすぎて、不安が増す
・うとうとしてもすぐ目が覚める
・体がこわばり、寝返りが痛い

これらは「自律神経の乱れ」が深く関わっています。夜間は本来、副交感神経が優位になり、身体が休息モードに切り替わる時間。しかし、痛み・不安・緊張が強い状態では、この切り替えがうまく働きません。

訪問鍼灸が“眠れる身体”を作る理由

鍼灸は自律神経に直接働きかけることができるため、夜間の不安や眠れない状態に対して非常に相性の良い施術です。

● 胸まわりの緊張をゆるめ、深い呼吸を取り戻す

不安のある方の多くは胸郭が硬く、呼吸が浅くなっています。胸周囲・横隔膜・腹部への鍼は、呼吸が広がる感覚を生み、全身の緊張が静かにほどけていきます。

● 足の冷えと自律神経の乱れを整える

足先の冷えは、交感神経の高ぶりのサインです。鍼灸で足の血流を改善すると、身体の中心の緊張が緩み、副交感神経が働きやすくなります。施術後「足がポカポカしてきた」と話される方は多いです。

● 首肩のこわばりを取ると、眠りの準備が整う

首や肩の筋緊張が強いと、自律神経の切り替えがうまくいきません。深層筋の張りを鍼で和らげると、神経の興奮が静まり、眠りへ向かうスイッチが入りやすくなります。

● 夜間の痛みを軽くして、寝返りに伴う負担を減らす

痛みで眠れない人は多いです。鍼灸は痛みの原因となる筋肉・関節の緊張を和らげ、寝返りで感じる負担を軽くするため、眠りが途切れにくくなります。

【実例①】夜になると涙が出て眠れなかった女性 住吉区在住の90代女性

住吉区在住の90代女性の方。日中は落ち着いているものの、夜になると不安が強まり、涙が止まらず一睡もできない日が続いていました。胸部・腹部・首の深い緊張が強く、呼吸が浅い状態でした。

鍼灸で胸の張りがゆるむと、施術中に深い息が自然に入り、「胸が軽くなった」と言葉が出ました。数日後、ご家族から「夜に泣く回数が減り、眠れる時間が増えた」と連絡をいただきました。

【実例②】寝返りで身体が痛み、1~2時間ごとに目が覚めていた男性 住吉区在住の80代男性

住吉区在住の80代男性の方。腰と背中の筋緊張が強く、少し寝返りをするだけで痛みが走り、夜間に何度も起きる状態でした。鍼灸で腰部・臀部の深層筋を整えると、可動域が広がり痛みが軽減。数週間後、「朝まで寝られる日が出てきた」と喜ばれていました。

【実例③】退院後の不安で眠れず、食欲まで落ちていた女性 住吉区在住の70代女性

住吉区在住の70代女性の方。退院後、生活リズムが崩れ、夜になると動悸が強まり、眠れない状態が続いていました。足の冷えと胸部の緊張、自律神経の乱れが原因でした。

鍼灸を重ねるごとに呼吸が深まり、不安の波が小さくなり、睡眠時間が安定。食事量も増え、ご家族から「顔色が明るくなりました」とお声をいただきました。

夜間の不安は“生活全体”に影響する

夜に眠れない状態が続くと、身体と心のどちらにも負担が積み重なります。

・日中の活動量が落ちる
・転倒リスクが高まる
・表情が暗くなる
・意欲が低下する
・家族やスタッフへの負担が増える

睡眠は単なる休息ではありません。“明日を整える力”そのものです。夜間が安定すると、生活全体に余裕が生まれます。

訪問鍼灸は“静かに眠れる夜”を取り戻すケア

訪問鍼灸は、眠れない夜を改善するために、身体の深部と自律神経に同時に働きかけることができます。施術後、多くの方が感じるのは「胸のつかえが取れたような感覚」「体の力が抜けていく感覚」「足先が温かい」という静かな変化です。

こうした“静かな回復”が積み重なることで、夜間の不安が減り、深く眠れる日が増えていきます。

院長 福家の想い

夜眠れないという悩みは、身体の痛みよりもつらいことがあります。不安が強くなる時間帯に、ひとりで過ごさなければならない人も多い。私は、訪問鍼灸を通して、その孤独や不安を少しでも軽くしたいと考えています。

身体がふっと緩む瞬間。呼吸が深まる瞬間。表情が柔らかくなる瞬間。こうした“小さな回復”が積み重なれば、眠れる夜は必ず戻ってきます。夜を落ち着いて過ごせることは、生活の安心につながり、その人らしい毎日をつくる土台になります。

まとめ

夜間の不安や不眠は、身体だけでなく心にも深い影響を与えます。訪問鍼灸は、自律神経を整え、呼吸を深め、身体の緊張を静かにゆるめることで“眠れる夜”を取り戻すケアです。睡眠が安定すると、日中の活動量・意欲・表情が変わり、生活の質が大きく向上します。

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